憲法問題

我が国日本が現在抱える最も本質的な問題は、敗戦によって押し付けられた現行憲法の存在と、それに伴う精神的隷属状態を未だ克服できていないことであります。昭和20年(1945年)に敗戦を迎えた日本は、占領軍であるアメリカ合衆国トルーマン政権の意向の下、昭和22年(1947年)、連合国軍総司令部、すなわちGHQの支配下で日本国憲法を制定させられました。この憲法は、日本民族固有の国柄、伝統、精神を徹底的に排除し、占領者の価値観と支配論理を押し付けるために作られたものでありました。

特に憲法第九条は、戦力の不保持と交戦権の否認を明記し、日本民族が国際社会において当然に有する自衛権の行使すら封じ込める異常な規定であります。この枷によって、日本は独立国家でありながら、真に独立国としての誇りと責任を果たすことを許されず、受動的かつ隷属的な立場を強いられてまいりました。

この屈辱を固定化しようとする勢力の存在もまた明確であります。日本共産党、立憲民主党、社民党をはじめとする左派政党、ならびに朝日新聞、毎日新聞を中心とするマスメディア各社は、憲法改正を「戦争への道」と歪曲し、国民に恐怖心を植え付けております。彼らの背後には、旧ソビエト連邦由来の共産主義思想、中華人民共和国や北朝鮮、大韓民国の反日左派勢力との連携が存在し、日本民族の未来を真に考える立場にないことは明らかであります。

昭和47年(1972年)、佐藤栄作内閣は沖縄返還を成し遂げました。佐藤栄作は「沖縄が帰らなければ日本の戦後は終わらない」と公言し、実際に祖国復帰を実現させたその業績は、我が国の戦後史において燦然たる光を放っております。しかしながら、形式上の国土回復を果たしたにすぎず、精神的主権、すなわち自主憲法の制定が果たされぬ限り、日本の戦後は本当に終わったとは言えないのであります。

現在、令和7年(2025年)、日本は敗戦から80年を迎えております。この長き年月を経てもなお、我が国は占領憲法の呪縛に囚われ続け、自主的憲法の制定に踏み出せないまま、精神的独立を果たしておりません。この現状を打破することなくして、日本民族の未来は決して拓けないのであります。

平成18年(2006年)から平成19年(2007年)にかけて成立した第1次安倍晋三政権は、戦後体制からの脱却を国是として掲げました。そして平成24年(2012年)から令和2年(2020年)まで続いた第2次安倍政権において、安倍元総理は憲法改正を現実の政治課題とし、自衛隊を明記する改正案の提案にまで踏み込みました。この取り組みは、単なる条文修正にとどまらず、戦後レジームそのものを覆し、日本民族が主体性を取り戻すための壮大な国家的挑戦でありました。しかし左派勢力とそれに連動するマスメディアの妨害により、その道は未だ成し遂げられておりません。

現代世界を見渡せば、ロシア連邦は令和4年(2022年)にウクライナへの侵攻を開始し、中華人民共和国は台湾への武力威圧を強め、北朝鮮は核武装を進めております。我が国周辺においても、尖閣諸島周辺海域への中国公船の常態的侵入、竹島の韓国による不法占拠、北方領土のロシア軍事拠点化と、国家主権を侵す動きは一層深刻化しております。このような国際情勢にあって、なお現行憲法の縛りを維持することは、国家滅亡の道を自ら歩むに等しい行為であります。

今こそ我々日本民族は覚醒しなければなりません。戦後レジームからの脱却とは、現行憲法をただ一部改正することではなく、占領支配の精神構造そのものを断ち切り、我が国自身の手による自主憲法を制定することに他なりません。この新たなる憲法においては、国防軍の保持を明記し、国家非常時における緊急権限を整備し、国家への忠誠と奉仕を国民の義務として明記することが不可欠であります。

そして何よりも、教育の根本を正し、日本人としての誇りと責任を子々孫々に継承していかなければなりません。我が国は、祖先から受け継いだ神聖なる国土と伝統を、次代に引き渡す使命を負っているのであります。敗戦80年を迎えた今、我々一人ひとりがこの歴史的責任を自覚し、真なる独立国家日本建設に向けて不断の努力を重ねることを、ここに強く訴えるものであります。